採用手法の全体像(直接雇用7区分と間接雇用2区分)

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この記事は企業の経営者と採用担当者向けに、「採用手法の全体像(直接雇用7区分と間接雇用2区分)」について、まとめています。

この記事では、企業が人に仕事をしてもらう手段を9つの区分に分けて比べます。自社が働く人と直接契約を結ぶ直接雇用が7区分、他社に雇われた人に自社の業務をしてもらう間接雇用が2区分です。

4つの採用媒体と、人材紹介、スキマバイト・スポットワーク、クラウドソーシング、人材派遣、業務代行を1つの表に並べ、働く人と契約する会社、契約の形、費用の決まり方の3つで比べます。

1. 9区分の全体像

この記事では、媒体や会社に払う料金の合計を、採用できた人数で割った額を「1人採るまでの費用」と呼びます。自社の担当者が使う時間は、この費用には入れず、別に数えます。

区分働く人と契約する会社働く人との契約の形費用の決まり方例
1. 低コスト採用媒体自社雇用無料か、月額の低い料金ハローワーク、engage、Wantedly、自社HP
2. 掲載型採用媒体自社雇用掲載期間ごとの料金(2週間でいくら、など)マイナビ、en転職、バイトルドットコム
3. クリック型採用媒体自社雇用無料で載せられ、有料の掲載はクリックされた回数ごとの料金(1クリックでいくら、など)Indeed、求人ボックス
4. スカウト型採用媒体自社雇用スカウトの通数に応じた料金(1,000通でいくら、など)、月額の利用料、採用時の成果報酬などを、媒体ごとに組み合わせた料金ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト
5. 人材紹介(成果報酬型)自社雇用入社が決まったとき、年収の一定割合リクルートエージェント、JAC、Zキャリア
6. スキマバイト・スポットワーク自社雇用(数時間から1日の単位)働く人への賃金(働いた時間分)と、媒体への手数料タイミー
7. クラウドソーシング自社業務委託(成果物の単位)働く人への報酬(成果物ごと)と、媒体によっては手数料クラウドワークス、ランサーズ
8. 人材派遣派遣会社(自社は派遣会社と派遣契約を結びます)雇用(派遣会社との間)派遣料金(派遣社員の賃金に派遣会社の取り分を加えた額)スタッフサービス、パソナ
9. 業務代行業務委託会社(自社はその会社と業務委託契約を結びます)雇用(業務委託会社との間)委託料(月額、成果ごと、業務量に応じた額など)営業代行会社、採用代行会社

直接雇用の7区分では、自社が働く人と契約を結びます。このうちクラウドソーシングだけは、契約が雇用ではなく業務委託です。媒体や紹介会社を使う場合は、働く人との契約とは別に、その会社とサービスの利用契約も結びます。間接雇用の人材派遣と業務代行では、相手の会社に雇われた人が自社の業務をするので、自社は働く人と契約を結びません。

2. 直接雇用の7区分

2-1. 低コスト採用媒体

求人を無料か低い料金で載せ、応募を待つ手法です。ハローワークは公共の職業紹介機関で、求人の掲載に費用はかかりません。民間の媒体には、engageのように無料で求人を載せられる媒体と、Wantedlyのように低い料金で使える媒体があります。

媒体に払う料金は無料か低い料金で、かかるのは主に自社の担当者の時間です(自社HPは制作費もかかります)。

この手法は、採用に費用をかける前に、応募の受け皿(自社HPの採用ページと、ハローワークや無料か低い料金の媒体の求人)を用意するときに使います。

応募する前に企業のサイトを見る求職者がいるので、有料の採用媒体や人材紹介を使う場合も、自社HPの採用ページを先に整えておくと、求職者が自社の情報を確かめられます。

ハローワークは、地域の求職者が職を探す窓口なので、地方の採用で応募の入口の1つになります。

低コスト採用媒体は応募を待つ手法なので、応募が来る時期を自社で決められません。応募が来るかどうかは、求人票の書き方や条件と、その媒体を見ている人の数で変わります。応募を待たずに動き始めたい場合は、企業から探しに行くスカウト型との併用をおすすめします。

2-2. 掲載型採用媒体

掲載期間を決めて料金を払い、その期間に求人を載せる手法です。2週間(14日)や4週間といった期間ごとに料金が決まっています。

1人採るまでの費用は、掲載期間の料金を採用できた人数で割った額です。料金は応募の数に関係なく同じなので、採用につながる応募が多いほど、1人採るまでの費用は下がります。応募が1件も来なくても料金は戻りません。応募が集まりやすい職種で使うと、1人採るまでの費用を抑えやすくなります。

料金は掲載期間によって変わるので、採用したい時期から逆算して、いつから掲載するかを想定したうえで、掲載期間を検討することをおすすめします。

掲載期間が終わると求人は消えるので、期間内に応募を集める必要があります。求職者は、同じ媒体に載る他社の求人と条件を比べます。給与や勤務地の条件が他社より見劣りすると、応募が集まりにくくなります。掲載の前に、同じ媒体に出ている同じ職種の求人を見て、自社の条件がどの位置にあるかを確かめておくと、応募が集まるかの見当がつきます。

2-3. クリック型採用媒体

求人は無料で載せられ、有料の掲載を使うと、求人がクリックされた回数に応じて料金を払う手法です。有料の掲載は、無料の掲載より多く表示されたり、有料の枠に表示されたりします。1クリックあたりの料金をクリック単価と呼びます。

1人採るまでの費用は、クリック単価にクリック数を掛けた額を、採用できた人数で割った額です。掲載型と違って、有料の掲載でもクリックされなければ料金は発生しません。クリックされても応募につながらない場合は、料金だけがかかります。

求人を検索する求職者が多い職種ほど、求人が表示されてクリックされる回数が増え、そこから応募が生まれます。そのため、求人を検索する求職者が多い職種で使うと、払ったクリックの料金が応募につながりやすくなります。

運用には手間がかかります。掲載している間は、クリック単価の見直しと、クリック数と応募数の確認を、自社で繰り返します。クリックされない求人では、求人票のタイトルと冒頭の文を、求職者が検索する言葉に合わせて書き直します。クリックされても応募につながらない求人では、仕事内容と条件の書き方を見直します。

2-4. スカウト型採用媒体

媒体に登録している求職者の経歴を企業が検索し、企業から求職者にスカウトを送る手法です。料金の決まり方は媒体によって違い、スカウトの通数(1,000通でいくら、など)、月額の利用料、採用が決まったときの成果報酬を組み合わせます。通数に制限がなく、採用が決まったときの手数料だけがかかる媒体もあります。

1人採るまでの費用は、媒体に払った料金(通数分の料金、利用料、成果報酬)の合計を、採用できた人数で割った額です。スカウトへの返信率は文面などに左右され、返信率が低いと採用できる人数が減るので、同じ通数でも1人採るまでの費用は変わります。

応募を待っていても来ない職種(経験者が少ない専門職など)で使う手法です。スカウトは企業から送るので、採用を始める時期を自社で決められます。登録はしているが転職を決めていない求職者にも声をかけられます。

スカウトを送る作業と、返信があった後の面接は、自社で行う必要があります。担当者の時間が足りないと、返信を放置することになります。

スカウトの文面には、相手の経歴のどこを見て送ったかを書くことをおすすめします。経歴に触れていない文面は、一斉送信だと受け取られるおそれがあります。

2-5. 人材紹介(成果報酬型)

紹介会社が求職者と面談し、企業の求人に合う人を推薦する手法です。企業は推薦された人を選考し、入社が決まったときに紹介会社に手数料を払います。採用媒体では採用担当者が応募者を集めますが、人材紹介ではその作業を紹介会社が行います。手数料は年収の一定割合で、30%から35%程度が一般的です。タレントグローススタジオの手数料は年収の25%です。

費用は入社が決まるまで発生せず、採用した人ごとに、その人の年収に応じた手数料がかかります。1人採るまでの費用は、採用した人の年収に手数料の割合を掛けた額です。

人材紹介が役に立つのは、次の2つの場合です。1つは、応募を集める担当者がいないか、担当者の時間が足りない場合です。もう1つは、応募を集めにくい専門職を採用する場合です。

1つ目の場合は、自社で応募を集める時間をかけずに候補者に会えます。2つ目の場合は、自社の求人に応募してこない人にも、紹介会社を通じて会えます。面談で転職の理由や希望を聞いて推薦するので、推薦される人が求人に合う人に絞られます。

求人票の条件が実際の採用基準より厳しいと、条件に合う候補者が少なくなり、紹介会社からの推薦が来にくくなります。

紹介会社には、求人票に加えて、譲れない条件と譲れる条件、過去に採用した人の経歴、不採用にした理由を伝えると、自社に合う人を推薦してもらいやすくなります。

紹介会社を選ぶときは、自社の求人の年収帯と、紹介会社が得意とする年収帯が合っているかも確かめておくことをおすすめします。

2-6. スキマバイト・スポットワーク

数時間から1日の単位で働く人を募集し、その時間だけ雇う手法です。働く人と自社の間に雇用契約が結ばれ、媒体は募集と勤怠管理の機能を提供します。費用は、働いた時間の賃金と、媒体への手数料です。

飲食、小売、物流、イベントのように、日や時間帯で必要な人手が変わる業務では、人手が足りない日と時間だけ人を集められます。面接なしで募集できる媒体では、募集から勤務までの手順が少ないので、人手が足りないと分かってから募集しても間に合いやすくなります。

来る人が毎回違うことが多いので、業務は、初めての人でもできる作業に切り分けておく必要があります。

繰り返し働きに来た人を社員やアルバイトとして採用する流れを作ると、スキマバイト・スポットワークが採用の入口になります。媒体を通さずに社員やアルバイトとして採用してよいかは媒体の規約で決まっているので、事前に確かめておく必要があります。

2-7. クラウドソーシング

仕事を成果物の単位(記事1本、デザイン1点、データ入力1件など)で発注し、個人や小規模な事業者が受注する手法です。契約は業務委託で、報酬は成果物ごとに決めます。媒体は発注と納品と支払いの場を提供します。手数料は受注側から受け取り、媒体によっては発注側からも受け取ります。

社員を雇うほどの量がない業務や、専門の技能が一時的に必要な業務を、成果物の単位で外部に頼めます。

業務委託なので、働く時間や場所を指示しないことが前提の契約です。発注側は、成果物の仕様を文書で渡し、納期と報酬を決めて、納品物で評価します。社員と同じように時間や場所を指示すると、契約は業務委託でも実態は雇用とみなされるおそれがあり、賃金や社会保険の扱いが問題になることがあります。

成果物の著作権が発注側と受注側のどちらに帰属するかは、発注時に決めておく必要があります。

3. 間接雇用の2区分

3-1. 人材派遣

派遣会社に雇われた人が、自社の職場で自社の指示を受けて働く手法です。自社は派遣会社と契約を結び、派遣料金を払います。派遣料金は、派遣社員に払われる賃金に、派遣会社の費用と利益を含む取り分を加えた額です。

派遣会社は、派遣料金のうち取り分が占める割合(マージン率)を公開することが労働者派遣法で求められているので、公開されたマージン率で派遣会社を比べられます。

業務の量が一定期間だけ増える場合や、欠員を急いで埋める場合に、採用の手続きを経ずに人を確保できます。派遣会社が人を選んで送るためです。

同じ派遣社員に同じ部署で働いてもらえる期間には、原則3年の上限があります。

業務の指示は自社が出しますが、賃金は派遣会社が決めます。賃金を自社で決められないので、派遣社員に求める水準を派遣会社に伝え、それに見合う派遣料金を先に確かめておくことをおすすめします。

将来の直接雇用に進めたい場合は、紹介予定派遣という契約があります。一定期間、派遣で働いた後、本人と自社が合意すれば、直接雇用に切り替えます。

3-2. 業務代行

営業や採用などの業務そのものを、業務委託の会社に任せる手法です。委託先の会社が担当者を用意し、その担当者が業務を行います。自社は、月額で、業務の結果(商談の数、採用の数など)に応じて、または業務量に応じて、委託料を払います。

自社にその業務の担当者がいない場合や、担当者を社内で育てるより外部に任せたほうが早く始められる場合に使う手法です。採用の担当者がいない企業が、求人票の作成、媒体の運用、応募者への連絡を採用代行会社に任せると、担当者を雇う前に採用活動を始められます。

派遣と違って、日々の指示を出さない契約です。自社が働く人に日々の指示を直接出すと、契約の形(業務委託)と実態(派遣)が食い違い、偽装請負(実態は派遣なのに業務委託の契約にしている状態)として違法と判断されるおそれがあります。委託する業務の範囲、報告の頻度、成果の定義は、契約で決めておく必要があります。

4. 「採用媒体の有効な活用ステップ」の4段階と、9区分の対応

採用媒体の使い方は、以前の記事「採用媒体の有効な活用ステップ」で4段階に分けて説明しました。その4段階にこの記事の9区分を当てはめると、次の表のとおりです。

段階使う区分内容
第1段階 受け皿の整備1. 低コスト採用媒体自社HPの採用ページを整え、ハローワークや、engage、Wantedlyのような無料か低い料金の媒体に求人を出します。
第2段階 管理体制づくり区分ではなく、応募者の管理の仕組み応募者の管理システム(ATS)を入れ、担当者を決めて、連絡、面接の日程調整、選考の記録を行える体制を作ります。
第3段階 有料求人媒体の活用(成果報酬型と同時に検討)課金型: 2. 掲載型、3. クリック型、4. スカウト型掲載期間、クリック数、スカウトの通数に応じて料金を払う手法です。私たちは、掲載型とクリック型は応募が集まりやすい職種に、スカウト型は応募が来にくい職種に使うことをおすすめしています。
第4段階 成果報酬型サービスの活用(課金型と同時に検討)成果報酬型: 5. 人材紹介入社が決まってから払う手法で、決まらなければ費用はかかりません。応募を集める作業は紹介会社が行います。
4段階とは別に使う区分6. スキマバイト・スポットワーク、7. クラウドソーシング、8. 人材派遣、9. 業務代行人手が要る日や時間帯、成果物で切り出せるか、一定期間だけの増加か、担当者がいるかで選ぶ採用チャネルです。

受け皿の整備と管理体制づくりは、有料の採用媒体と人材紹介を使う前に済ませておく必要があります。受け皿と管理体制がないと、料金を払って集めた応募や紹介会社から推薦された候補者を受け止められず、採用につながりにくくなるためです。

有料求人媒体(課金型)と成果報酬型サービスは、順番に使うものではありません。費用や手間の総合的なコストを、課金型と成果報酬型でバランスを検討し判断します。通数や月額の料金に加えて成果報酬がかかるスカウト型の媒体は、課金型と成果報酬型の両方の性質を持ちます。

5. 費用の比べ方

掲載型、クリック型、スカウト型、人材紹介は、1人採るまでの費用で比べます。

低コスト採用媒体は、媒体に払う料金がないか少額なので、媒体どうしを担当者の時間の差で比べます。自社HPの採用ページは、制作費を一度かけて使い続けるものなので、媒体の比べ方とは分けて考えます。

スキマバイト・スポットワーク、クラウドソーシング、人材派遣、業務代行は、時間、成果物、業務の単位で人に働いてもらう手法です。そのため、払う費用を、同じ業務を社員が行う場合の人件費と比べます。

払う費用は、スキマバイト・スポットワークが働いた時間分の賃金と媒体への手数料、クラウドソーシングが成果物ごとの報酬(媒体によっては手数料も)、人材派遣が派遣料金、業務代行が委託料です。

採用媒体と人材紹介で採用にかかる費用の全体を比べるときは、次の2つを分けて書き出すと、採用媒体と人材紹介を同じ2つの金額で並べて比べられます。1つ目は媒体や会社に払う料金、2つ目は担当者の時間に時給を掛けた額です。採用媒体では、応募を集める作業を自社で行うので、紹介会社が行う人材紹介より担当者の時間が多くなります。

6. おすすめの進め方

私たちは、採用チャネルを選ぶ前に、必要な業務を分解することをおすすめしています。業務が単発的か継続的か、継続的なスキルアップが求められるかを分け、その業務で追うKPIと、かけられるコスト(料金と担当者の時間)を書き出します。そのうえで、9区分の中から業務に合う採用チャネルを選びます。

業務の性質ごとに合う採用チャネルは、次のとおりです。

業務の性質合う採用チャネル
継続的な業務社員やアルバイトとして雇う手法(採用媒体、人材紹介)
日や時間帯で必要な人手が変わる業務スキマバイト・スポットワーク
成果物の単位で切り出せる単発の業務や、専門の技能が一時的に必要な業務クラウドソーシング
一定期間だけ量が増える業務や、欠員を急いで埋める業務人材派遣
自社に担当者がいない業務や、担当者を育てるより外部に任せたほうが早く始められる業務業務代行

社員やアルバイトとして雇う業務では、受け皿(自社HPの採用ページと、ハローワークや無料か低い料金の媒体の求人)と管理体制を、有料の手法より先に整えます。そのうえで、有料の採用媒体(課金型)と人材紹介(成果報酬型)を、順番を付けずに同時に比べます。応募が集まりやすい職種では掲載型とクリック型が、集まりにくい職種ではスカウト型と人材紹介が中心になります。

どの採用チャネルが合うかは、業務の内容と量、職種、地域、時期で変わります。任せたい業務の内容を伺えれば、どの採用チャネルから始めるのが合うかを一緒に考えます。採用の施策をプロジェクト単位で発注する場合は、ローカルグローススタジオのプロジェクト発注(採用活動の改善)をご覧ください。

タレントグローススタジオを運営する、つなぐスタジオ株式会社では「ビジネス知の機会格差をなくす」というミッションに向けて、これからも実践的で価値ある情報を発信していきます。この記事の内容や、その他採用・人材に関して気になる点がありましたら、お気軽にご相談ください。


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