関係人口とは。UターンやIターンの前に地域と関わり始めて、仕事と暮らしの不安を減らす方法

タレントグローススタジオは「キャリアを、翻訳する。」というテーマで、想いが伝わるキャリア支援の人材サービスを行っています。地方人材とスタートアップ企業、スタートアップ人材と地方企業のそれぞれの言葉を翻訳し、想いが伝わる転職活動を支援いたします。

キャリア・転職コラムでは、転職活動やキャリアアップに向けた情報を共有し、後悔のないキャリア選択や可能性の発揮を支援します。

この記事は、専門の知識やスキルを地方で生かしたいと考え、UターンやIターンに関心はあるものの、まだ移住や転職を決めていない、首都圏などで働く方に向けて書いています。

移住や転職を考え始めても、住まいと仕事を一度に変えたあとで、仕事や暮らし、地域の人との関係が合わなかった時のことを考えると、一歩目を踏み出しにくくなります。

この記事では、移住や転職を決める前に、住まずに特定の地域と続けて関わる「関係人口」として地域と関わり始める方法を説明します。国の調査では、移住した人の多くは移住の前から移住先の地域とつながりがあり、東京圏から東京圏の外へ移住した人が最も足りなかったと感じた情報は仕事の情報でした。

このため、移住や転職を決める前に、仕事を確かめられる関わり方も含めて地域と関わり始めると、移住の前に仕事の情報を確かめ、地域の人とのつながりもつくっておけると考えられます。

この記事では、使える時間とお金に合わせ、暮らしと仕事のどちらを確かめたいかで関わり方を選べるように、国の制度と、町村の制度の例を比べます。

この記事で分かること

  1. 関係人口とは:住まずに特定の地域と続けて関わる人
  2. 移住した人に足りなかった情報:最も多いのは仕事
  3. 関わり方の選び方:使える時間とお金、確かめたいこと
  4. 移住や転職の前に確かめること:仕事と暮らし

1. 関係人口は、住まずに特定の地域と続けて関わる人で、国の推計では18歳以上の約2割にあたる

関係人口は、総務省や国土交通省が使う言葉で、地域に住む人でも観光で訪れる人でもなく、特定の地域と続けて関わる人を指します。国土交通省の推計では、18歳以上の居住者約1億275万人のうち、約22%にあたる約2,263万人が関係人口です。

この推計は、全国の18歳以上を対象にしたインターネット調査(2023年9月から10月、有効回答118,963人)の結果をもとにしています。

1-1. 関わり方は訪れずに応援する形から地元の企業で働く形まで幅があり、訪れる人の約7割は年に7日以下で関わっている

国土交通省の調査では、ふだん暮らす範囲や通勤する範囲の外にある特定の地域と、続けて関わる人を関係人口として数えています。単なる帰省や、仕事で支社や営業所を訪れることは、関係人口の関わり方に数えていません。

関わり方は、地域を訪れる形(訪問系)と、訪れずに関わる形(非訪問系)に分かれます。国土交通省は、訪れる形を、地域との結びつきが強い順に次の5つの型に分けています。人数は、1人を、当てはまる型のうち地域との結びつきが最も強い1つの型に分けて数えた推計です。

  • 直接寄与型は、地域の産業づくりやまちおこしの企画と運営に加わる、ボランティアをする、朝市やマルシェに出店するといった関わり方で、約437万人です。
  • 就労型(現地就労)は、地元の企業や事業所で働く、地域で副業をする、農林漁業の仕事をするといった関わり方で、約105万人です。
  • 参加・交流型は、地域の人と交流する、祭りや催し、体験プログラムに参加するといった関わり方で、約485万人です。
  • 就労型(テレワーク)は、本業や副業の仕事を、訪れた地域でテレワークで行う関わり方で、約145万人です。
  • 趣味・消費型は、地域での飲食や買い物、趣味の活動で訪れる関わり方で、約711万人です。

訪れずに関わる形には、ふるさと納税、クラウドファンディング、地場産品の購入、地域の仕事を請け負うこと、地域の情報を発信すること、オンラインでの交流を続けることが入ります。推計では、訪れる形の人が約1,884万人(約18%)、訪れない形の人が約379万人(約4%)です。

訪れる形の人が1年に地域を訪れる日数は、2日から7日が約49%で最も多く、8日以上が約31%、1日以下が約20%です。地元の企業などで働く型とテレワークの型では、8日以上の人が約半数になります。全体では年に7日以下の人が約7割なので、まとまった休みを取りにくい方も、年に数日の訪問から関わり始められると考えられます。

1-2. 関わり始める地域の候補は、親族や知人のいる地域、観光で訪れた地域、かつて住んだ地域から挙げられる

国土交通省の調査で、地域を訪れる形の関係人口に、その地域を訪れるようになったきっかけを聞くと、上位は次の3つでした(全国、複数回答、関わる地域ごとの集計)。親族や友人、知人が住んでいる(住んでいた)ことが35.6%、観光やレジャーで訪れたことが25.2%、かつて住んでいたか、職場や学校に通っていたことが19.4%です。

UターンやIターンを考えている方は、出身地や、親族や知人のいる地域、かつて住んだ地域、観光で訪れた地域から、関わり始める地域の候補を挙げることができます。

1-3. 地域と関わる人の半数以上は移住を考えておらず、移住するかは関わりを深めながら考えられる

国土交通省の2023年の調査で、訪れる形の関係人口に、関わっている地域へ移住したいかをたずねると(関わる地域ごとの集計)、「近い未来に移住したい」が6.1%、「いつかは移住したい」が14.4%で、合わせて約2割でした。「気持ちはあるが現実的ではない」が25.3%、「考えていない」が54.2%です。

型別に見ると、移住したいと考える割合が最も高いのは、まちおこしの企画などに加わり、地域との結びつきが最も強い直接寄与型で、近い未来といつかを合わせて約36%でした。

これらの数字は、地域との結びつきが強い関わり方の人に、移住したい気持ちが強い人が多いことを示していますが、関わったから移住を決めたという因果までは示していません。移住するかを決めないまま関わり始め、関わりを深めながら考える進め方なら、移住や転職を決める前に、仕事や暮らしを確かめる時間を取ることができます。

2. 移住した人の多くは前から地域とつながりがあり、最も足りなかったのは仕事の情報だった

国の調査では、移住した人の多くは、移住の前から移住先の地域とつながりを持っていました。そのつながりは家族や知人によるものが中心でした。また、東京圏から東京圏の外へ移住した人が最も足りなかったと感じたのは仕事の情報でした。

このため、地域と関わり始める時は、地域の人とのつながりをつくることに加えて、副業で地域の企業や自治体の仕事に加わる、地域で働く人や移住した人に会うといった、仕事の情報を確かめられる関わり方を選ぶことをおすすめします。

2-1. 仕事の情報は、地域で働く人や移住した人に会って確かめる

内閣府の2023年3月のインターネット調査で、東京圏に住み地方移住に関心がある人が挙げた懸念は、仕事や収入が51.1%で最も多く、買い物や公共交通などの便利さが27.0%、人間関係や地域コミュニティが26.6%、医療や福祉の施設が20.9%で続きます。

内閣官房の2021年の調査で、2020年4月以降に東京圏から東京圏の外へ移住した人が移住の時に不足していたと感じた情報は、仕事や求職の情報が34.1%で最も多く、交通網や交通手段が20.6%、住居が18.9%、町内会のルールなどの地域コミュニティが18.4%、医療施設が18.3%でした。

内閣官房が2020年に行った調査のグループインタビューでは、東京圏に住む20代と30代でIターンに関心がある人が移住を検討する行動は、大半がインターネットの検索にとどまっていました。報告書は、地方の暮らしを具体的に思い描けていないことが、踏み出せない理由の1つと考えられるとまとめています。

同じ調査で、Iターンを検討している人のグループインタビューでは、足りない情報として、自分と同じ境遇の人が移住した時の情報(とくに仕事の情報)と、良い話だけでない情報が挙がりました。こうした情報は検索では集めにくいため、地域で働く人や移住した人に会って確かめることをおすすめします。

2-2. 地縁のない地域へのIターンでは、地域とつながる機会を自分でつくる

総務省が2017年11月から12月に、過疎地域の市町村の窓口で転入の届けを出した人に配った調査(回収1,000票)では、54.6%が、転居の前から転居先と交流やつながりがあったと答えました。都市部から転居した人では57.7%です。

Uターンの人では74.6%につながりがありましたが、Iターンの人では38.1%で、56.1%は交流がありませんでした。

つながりがあった人に中身をたずねると(複数回答)、家族や親戚が住んでいた(67.8%)と、知人や友人が住んでいた(47.3%)に集中していました。

2020年4月以降に東京圏から東京圏の外へ移った人を対象にした内閣官房の2021年の調査でも、移住先は自身の出身地が41.8%、親族や同居人の出身地が14.4%、仕事や観光で訪れたことがある地域が10.7%で、関わったことがなかった地域は17.3%でした。

Iターンの人はUターンの人よりつながりがあった割合が低いので、地縁のない地域へ移るIターンの方は、移住の前に地域とつながる機会を自分でつくることになると考えられます。

3. 関わり方は、使える時間とお金に合わせ、暮らしと仕事のどちらを確かめたいかで選ぶ

国土交通省の2023年の調査で、今はどの地域とも関わっていないが関わりたいと考える人に、関わるために改善してほしいことをたずねると、上位は時間の余裕(27.4%)、移動や滞在のお金の負担を軽くすること(26.7%)、地域へ行く交通の便(26.4%)でした。

使える時間とお金を、関わり方を選ぶ時の最初の条件にすることをおすすめします。もう1つの条件は確かめたいことで、地域の暮らしと人を知りたいのか、地域の企業や自治体の仕事を確かめたいのかで選びます。

次の表で、地域との関わり方を、使う時間、自分の費用と収入、今の仕事を続けられるか、主に分かることで比べます。

関わり方使う時間自分の費用と収入今の仕事を続けられるか主に分かること
祭りや体験プログラム、自治体の移住体験日帰りから数日です。参加の費用は、催しや自治体の案内で確かめます。休日を使って続けたまま関われます。地域の雰囲気と、地域の人です。
プロフェッショナル人材事業の副業・兼業契約で決まります。企業から報酬を受けます。勤め先の副業の規則の範囲で続けたまま関われます。地域の企業が求める経験と、仕事の中身です。
地域活性化起業人(副業型)月4日以上かつ月20時間以上で、6か月から3年です。市町村と結ぶ業務委託か雇用の契約で、報酬を受けます。勤め先の事前の承諾を得て、続けたまま関われます。自治体の仕事と、地域の課題です。
おためし地域おこし協力隊主に2泊3日です。参加する人の費用は、自治体の募集で確かめます。休暇を使えば続けたまま参加できる長さです。協力隊の活動と、受け入れる地域の人です。
地域おこし協力隊インターン2週間から3か月です。参加する人の費用は、自治体の募集で確かめます。長い休暇を取れるかを勤め先と相談します。協力隊と同じような地域の活動の中身です。
ふるさとワーキングホリデーおおむね2週間から1か月です。地域で働いて収入を得ます。交通費の扱いは自治体の募集で確かめます。長い休暇を取れるかを勤め先と相談します。地域での仕事と暮らし、住民との交流です。
大人の島留学(島根県の海士町、西ノ島町、知夫村)3か月(週4日の勤務)か1年間(週5日の勤務)です。3か月は月13万2,000円(税込)の生活支援金、1年間は業務委託で月18万7,000円(税込)を受けます。週4日以上働くので、続けたままでは参加しにくい形です。島の事業所での仕事と、島の暮らしです。
二地域居住期間は暮らし方によって決まります。住まいの費用への支援があるかは、市町村や、二地域居住を支える法人に確かめます。今の仕事をテレワークなどで続けられるかで決まります。暮らしの全体と、地域の人とのつながりです。

3-1. まず地域の暮らしと人を知りたいなら、祭りや体験プログラム、自治体の移住体験から始められる

地域の雰囲気や人を知ることから始めたい方には、祭りや催し、体験プログラムへの参加が向いています。休日を使って今の仕事を続けたまま関われます。

訪れずに関わる形から始めることもできます。ふるさと納税や地場産品の購入で応援している地域があれば、その地域の催しに参加したり、実際に訪れたりすることで、訪れる形の関わりに進められます。

移住を考えている地域が決まっているなら、自治体の移住体験ツアーや、オンラインのお試し体験、移住体験住宅も使えます。実施しているかどうかと内容は、自治体ごとに違います。

内閣官房の2020年の調査では、東京圏に住む20歳から59歳で地方移住に関心がある人の90.3%が、地方移住について自治体が支援している取り組みやキャッチフレーズを知らないと答えています。関心のある地域が決まったら、その自治体の移住の案内のページを確かめておくことをおすすめします。

3-2. 地域の仕事を確かめたいなら、副業で地元の企業や自治体に関わる道がある

地域の企業や自治体でどんな仕事があり、どんな経験が求められているかを確かめたい方には、今の仕事を続けたまま副業で関わる道があります。国の制度では、地域の企業と専門の人材を結ぶプロフェッショナル人材事業と、自治体の仕事に関わる地域活性化起業人の副業型が、その例です。

プロフェッショナル人材事業は内閣官房と内閣府の事業で、45道府県に置かれた拠点を通じて、地域の企業に専門の人材を紹介します。個人は拠点に直接応募するのではなく、拠点と提携する人材紹介会社などに登録して紹介を受けます。常勤の雇用のほか、副業や兼業、在籍型出向の形でも紹介しています。

副業や兼業の成約は、2020年度の340件から2024年度の1,861件へ増え、2024年度は成約全体の約29%でした。2023年度の実績では、副業や兼業で受ける月の報酬は10万円以下が85%でした。

地域活性化起業人の副業型は総務省の制度です。三大都市圏などの企業に勤める人が、勤め先の事前の承諾を得て、個人として市町村と業務委託か雇用の契約を結び、月4日以上かつ月20時間以上、6か月から3年の間、市町村の仕事をします。

受け入れる市町村には月1日以上滞在し、同じ時期に関われる市町村は1つです。2025年度に副業型で活動した人は299人でした。

手続きは、受け入れる市町村とのマッチング、契約書の案の作成、勤め先の事前の承諾、契約、副業の開始の順に進みます。

総務省の2025年度の事例集には、住友商事の社員が長野県飯田市で、南信州シードルを地域のブランドにするマーケティングの戦略づくりを担い、生産者のSNSの活用を支えた例が載っています。

同じ事例集では、石井食品の社員が北海道訓子府町でまちづくり会社の立ち上げの計画づくりに加わり、星野リゾートの社員が長野県売木村で地域運営組織の立ち上げを支えました。

事例集に載った副業型の活動を分野で見ると、「地域経済の活性化、雇用対策、人材育成、企業誘致など」の分野が10事例で最も多く、計画づくりの支援と、地域の産品の開発や販路の開拓が5事例ずつでした。

3-3. 暮らしを数日から数か月試したいなら、移住せずに参加できる短期の制度が国にも町村にもある

地域おこし協力隊は、都市部から条件が不利な地域へ住民票を移した人が、おおむね1年から3年、地域の活動に取り組む総務省の制度です。移住を決める前に、この活動と地域の暮らしを短い期間で試せる制度として、おためし地域おこし協力隊と地域おこし協力隊インターンがあり、どちらも移住は要りません。

おためし地域おこし協力隊は主に2泊3日で、自治体や受け入れる地域の人との顔合わせ、地域の案内、交流会、活動の体験をします。地域おこし協力隊インターンは2週間から3か月で、協力隊と同じような地域の活動に加わります。

ふるさとワーキングホリデーは、都市部の若者などが、おおむね2週間から1か月、地方に滞在して働き、収入を得ながら、地域の人との交流や学びの場に参加する総務省の事業です。2025年度は59の自治体で877人が参加し、2016年度からの累計は6,856人です。

総務省の資料によると、参加者の約9割が満足し、約9割がまた訪れたいと答えていて、参加の後に移住や定住をした人や、地域おこし協力隊として活動する人もいます。参加を考える人に向けたオンラインの合同説明会が、2026年11月11日と11月25日に予定されています。

どの制度も募集は自治体ごとで、参加する人の交通費などの費用の扱いは、募集する自治体の案内で確かめられます。2週間以上になる制度に今の仕事を続けたまま参加する場合は、休暇の取り方を勤め先と相談する必要があります。

国の制度のほかに、町村が独自に、地域の事業所で働きながら暮らす制度を設けている例もあります。例えば島根県の海士町、西ノ島町、知夫村が島前ふるさと魅力化財団と運営する「大人の島留学」は、20歳から29歳程度の人が島の行政や民間の事業所で観光、漁業、農業などの仕事をしながら暮らす制度です。

3か月の滞在はインターンシップ契約で週4日働き、月13万2,000円(税込)の生活支援金が出て、住所を移す必要はありません。同じ制度には、住民票を島に移して1年間滞在する形もあり、業務委託契約で週5日働き、月18万7,000円(税込)が支給されます。

どちらも週4日以上働くので、今の仕事を続けたままでは参加しにくい形です。2027年度に来島する人の2次エントリーは、2026年11月16日までです。

3-4. 住まいを2つ持って暮らしを試すなら、二地域居住を支える制度を自治体に確かめる

二地域居住は、主な生活の拠点とは別の特定の地域にも生活の拠点を設ける暮らし方です。

2024年11月に施行された改正広域的地域活性化基盤整備法により、都道府県が二地域居住の事項を含む計画をつくった地域では、市町村が二地域居住を進める計画(特定居住促進計画)をつくれるようになりました。市町村長は、二地域居住をする人に住まい、仕事、地域の人とのつながりを提供する法人(特定居住支援法人)を指定できます。

2026年8月31日時点で、都道府県の計画は28、市町村の計画は57、支援法人は161あります。国は、空き家の改修やコワーキングスペースの整備、支援法人の活動など、自治体や支援法人の取り組みを支援しています。

住まいを2つ持つ暮らしを考えている方は、関心のある市町村が計画をつくっているかと、その地域に支援法人があるかを、市町村に確かめることをおすすめします。

3-5. ふるさと住民登録が始まったら、関わりたい地域が受け付けるかと補助を確かめる

ふるさと住民登録制度は、住んでいる地域の外で続けて関わる人に登録してもらい、関係人口の規模や地域との関係を見えるようにして、地域の担い手の確保や活性化につなげる総務省の制度です。登録は無料で、地域に関心があれば、出身地でなくゆかりもない地域でも登録できます。

一般の人はまだ登録できず、2026年10月16日から12月20日まで約2,500人のモニターによる実証が行われています。総務省は2026年度中の制度の開始を目指していて、資料では、2027年3月に自治体でシステムを事前に運用したうえで、制度の開始と正式版のシステムの公開を想定しています。この制度に参加するかどうかは、自治体ごとに決めます。

登録は2段に分かれます。ベーシック登録は要件がなく、住んでいる自治体にも登録できます。プレミアム登録は、自治体が指定する担い手の活動をその地域で年3回以上行う人が対象で、マイナンバーカードで本人確認をし、住んでいる自治体を除く3つの自治体まで登録できます。

総務省の制度設計では、プレミアム登録をした人に、交通費や宿泊費の補助、ワーキングスペースの利用料の補助などを、地域ごとに自治体や民間が用意する想定です。

国の制度が始まる前から、続けて関わる人を独自に登録している地域もあります。

2024年に始まった「海士町オフィシャルアンバサダー制度」には、加入の条件が3つあります。町に滞在したことがあり年1度以上滞在できること、まちづくりに関わり続けること、都市部と海士町で年に複数回開かれるファンミーティングに1度は参加することです。

年会費には1万1,000円、3万3,000円、11万円の3つの区分があり、3万3,000円と11万円の区分では、町の宿泊施設にそれぞれ年1泊と年3泊まで無料で泊まれます。登録者は2025年12月末時点で400名を超えました。無料で登録できる国のふるさと住民登録とは、加入の条件も費用も違います。

ふるさと住民登録の登録者への補助や、地域が独自に用意する特典の有無も、関わる地域を決める時の手がかりにできます。ふるさと住民登録の制度が始まったら、関わりたい地域がこの登録を受け付けているかと、どんな補助を用意しているかを、その自治体の案内で確かめることをおすすめします。

(2026年11月3日時点)

4. 移住や転職を決める前に、関わる中で仕事、暮らし、地域の人との付き合い方を確かめる

地域と関わり始めたら、移住した人が足りなかったと感じた仕事と暮らしの情報と、地域の人との付き合い方を、1つずつ確かめていきます。移住を決める前には、移住支援金の条件も移住先の自治体に確かめます。

4-1. 仕事は、地域の企業が求める経験と収入の見通しを、副業や地域の人との会話で確かめる

仕事について確かめたいのは、地域の企業が自分のどの経験を求めているかと、転職した後の収入の見通しです。副業で関わると、自分の経験が地域の企業のどの仕事で役に立つかを、実際に働きながら確かめられます。

プロフェッショナル人材事業の2023年度の実績では、常勤の雇用で任される仕事は生産性の向上が、副業や兼業で任される仕事は販路の拡大が多くなっています。

副業の報酬は、関わる時間と契約の内容で決まるもので、転職した後の給与の目安にはなりません。転職した後の収入の見通しは、副業で関わった企業や、地域で働く人、移住した人に、同じような役割の給与の水準を聞いて確かめることをおすすめします。

4-2. 暮らしと地域の人との付き合い方は、地域で暮らす人に聞く

暮らしについては、移住した人が足りなかったと感じた交通、住居、医療の情報を、訪れた時に確かめます。車が要るか、住まいをどう探すかは、地域で暮らす人に聞くと分かります。生活費の見通しは、住まいの費用と、車を持つかどうかを確かめてから立てられます。

地域コミュニティの情報も、移住した人が足りなかったと感じた情報の1つです。町内会の決まりや地域の人との付き合い方は、催しや副業、短期の制度で知り合った地域の人や移住した人に聞いて確かめることをおすすめします。知り合った人は、移住した後に相談できる相手になることもあります。

4-3. 移住支援金の条件は、移住先の自治体に確かめる

移住先の自治体には、移住支援金の対象になるかを確かめます。移住支援金は、東京23区に住んでいるか通勤している人が東京圏の外(東京圏の中の条件不利地域を含みます)へ移り、就業や起業などをした場合に、都道府県と市町村が支給するお金です。移住の直前の10年間で通算5年以上、東京23区に住んでいたか通勤していたことなどが条件です。

金額は、世帯で100万円以内(18歳未満の世帯員を連れて移住する場合は、1人につき最大100万円を加算)、単身で60万円以内です。2019年度から2025年度までの累計で、支援の件数は14,378件、移住した人数は30,557人です(地方就職学生支援事業の実績を含みます)。

支給の対象になる就業には、道府県のマッチングサイトに載っている求人に就くことのほか、プロフェッショナル人材事業または先導的人材マッチング事業を利用して就くことも含まれます。就業などの要件に当てはまらなくても、市町村が関係人口として認め、地域の担い手になる要件を満たす人を対象にする、市町村ごとの独自の要件もあります。

申請は転入から1年以内で、申請の後5年以上、移住先に住み続ける意思があることが条件です。申請から5年以内に転出した場合などは、返還の対象になります。金額や条件は自治体ごとに決まるため、移住先の自治体のページで確かめることをおすすめします。

5. まとめ: 時間とお金に合う形で地域と関わり始め、仕事と暮らしを確かめてから、移住や転職を決める

移住した人の多くは移住の前から地域とつながりがあり、東京圏から移住した人が最も足りなかったと感じた情報は仕事の情報でした。このため、移住や転職を決める前に地域と関わり始め、仕事の情報を確かめ、地域の人とのつながりもつくっておくことをおすすめします。

まず、出身地や、親族や知人のいる地域、かつて住んだ地域、観光で訪れた地域から、関わり始める地域の候補を挙げます。地縁のない地域へのIターンを考えている方は、催しへの参加や自治体の移住体験から、地域とつながる機会をつくれます。

次に、使える時間とお金に合わせ、確かめたいことで関わり方を選びます。地域の仕事を確かめたいなら、プロフェッショナル人材事業の副業や、勤め先の承諾などの条件を満たせば参加できる地域活性化起業人の副業型で、今の仕事を続けたまま関われます。

暮らしを試したいなら、おためし地域おこし協力隊や協力隊インターン、ふるさとワーキングホリデーのほか、町村が独自に設けている制度も候補になります。住まいを2つ持つなら、二地域居住を進める市町村の計画と支援法人を確かめます。

関わる費用については、総務省がふるさと住民登録の制度を2026年度中に始めることを目指しています。制度が始まったら、関わりたい地域がこの登録を受け付けているかと、交通費などの補助を用意しているかを、その自治体の案内で確かめます。

関わる中で、地域の企業が求める経験と転職した後の収入の見通し、住まいと交通、地域の人との付き合い方、移住支援金の対象になるかを確かめてから、移住や転職を決めることをおすすめします。

タレントグローススタジオは、人材紹介のサービスとして、地方の企業への転職や、地域と関わりながら転職を考える方のご相談を受けています。関わり始めた地域の企業で働くことを考えている方や、副業で関わった経験を生かせる転職先を比べたい方は、ご相談ください。

タレントグローススタジオを運営する、つなぐスタジオ株式会社では「ビジネス知の機会格差をなくす」というビジョンに向けて、これからも実践的で価値ある情報を発信していきます。この記事の内容や、その他キャリア・転職に関して気になる点がありましたら、お気軽にご連絡ください。

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